アミノ酸ってなあに？

アミノ酸の消耗が、
美容と健康を消耗させる？！

アミノ酸が体によいことは皆さんご存知かと思います。
それでは、アミノ酸の消耗は健康や美容に大きな影響を与えていることはご存知でしたか？

お肌の調子がよくない。からだがスッキリしない。
抜け毛が気になってきた。イライラすることが増えた。

こんな状態になったら、体のアミノ酸が不足している可能性があります。
アミノ酸は、からだのタンパク質をつくる成分で、たった20種類のアミノ酸の組み合わせが、皮膚、髪、つめ、筋肉、ホルモン、酵素、神経伝達物質など10 万種類以上のタンパク質をつくります。

体内では20種類のアミノ酸からタンパク質へ。タンパク質から20種類のアミノ酸へ、という分解と再合成がくり返され一部が体外へ排出されます。

遺伝子がアミノ酸の種類、並び順などを決めることによりタンパク質ができ上がるので、アミノ酸が不足すると部品が欠けたような不完全なタンパク質ができやすくなり、それが体に現象としてあらわれると美容と健康が気になるようになります。

＼アミノ酸ってなあに？／01.

アミノ酸20種類の働き

体の20％はタンパク質でできています。このタンパク質の元となるのがアミノ酸です。アミノ酸は体内の様々な場所において、体の働きを活性化させる作用があります。20種類それぞれのアミノ酸によって得られる作用は異なっています。

脂質・その他約20%

タンパク質約20%

水分約60%

20種類のアミノ酸

非必須アミノ酸 11種類→体内で合成されるもの
アスパラギンアスパラギン酸グルタミングルタミン酸セリングリシンシスチンアルギニンアラニンプロリンチロシン

必須アミノ酸 9種類→食べ物でしか補えないもの
バリンイソロイシンロイシンメチオニンヒスチジンスレオニンフェニルアラニンリジントリプトファン

※BCAAは筋肉を作るはたらきをサポートするアミノ酸

1	アスパラギン	水素結合、糖鎖の結合、オキサロ酢酸の材料、その他
2	アスパラギン酸	アラニンの原料、神経伝達物質、その他
3	グルタミン	消化管粘膜の保護、小腸エネルギー源、その他
4	グルタミン酸	GABAの材料、グルタチオンの材料、神経伝達物質、その他
5	セリン	さまざまな酵素の部分を構成、中枢神経の栄養因子、情報伝達を担う
6	グリシン	コラーゲンの材料、神経伝達物質、赤血球の材料、その他
7	シスチン	タウリンの成分、補酵素CoAの成分、その他
8	アルギニン	成長ホルモン、インスリン、グルカゴンの分泌に関与
9	アラニン	エネルギー源、その他
10	プロリン	コラーゲンの材料、コラーゲン修復作用、角質層保湿作用、その他
11	チロシン	アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミンの材料、甲状腺ホルモンの材料
12	バリン	成長促進、肝機能向上、血液中の窒素バランスの調整
13	イソロイシン	成長促進、神経機能補助、血管拡張、肝機能向上
14	ロイシン	肝機能向上、血糖コントロール、筋タンパク質の維持、その他
15	メチオニン	肝機能のサポート、【開始アミノ酸】としての役割
16	ヒスチジン	成長に関与、ヘモグロビン、白血球の産生に関与
17	スレオニン	成長促進、脂肪肝の抑制
18	フェニルアラニン	ドーパミン・ノルアドレナリンの材料、鎮痛作用、その他
19	リジン	肝機能教科、成長に関与、身体組織修復
20	トリプトファン	セロトニンやメラトニンの材料、コレステロール、血圧のコントロール

■ 参考文献
＊下村吉治・北浦靖之(2014),「スポーツ医学的観点からのアミノ酸機能：分岐鎖アミノ酸（BCAA）を中心として」,『化学と生物(2014)』,52（3）,日本農芸化学会,143p-144p.
＊西川研次郎（監修）,『食品機能性の科学（2008）』,産業技術サービスセンター,1177p.
＊渡邉昌（監修）,『栄養学の基本（2016）』,マイナビ出版,240p.
＊岸恭一・西村敏英(監修).日本必須アミノ酸協会（編）,『タンパク質・アミノ酸の科学(2007)』,工業調査会,277p.

＼アミノ酸ってなあに？／02.

アミノ酸はどうやってからだに働きかけるの？

アミノ酸はヒトに必要な栄養素ですが、納豆菌や腸内細菌にも必要な栄養素です。
アミノ酸は摂取後に、「すぐに吸収されるアミノ酸」と、「納豆菌や腸内細菌のエサになるアミノ酸」に分かれます。
アミノ酸を食べた菌は「発酵代謝物」を生産します。それが吸収されると、アミノ酸やビタミン等の摂取量が増えるというメリットがあります。
アミノ酸は人にも菌にもいい影響を与える物質なのです。

たんぱく質を食べる
たんぱく質が分解されて
アミノ酸になり吸収される
アミノ酸が細胞に入る
DNA情報にしたがい
アミノ酸が連結し、
たんぱく質をつくる
作られたたんぱく質は
細胞内外で機能する
たんぱく質が
からだの材料になる

■ 参考文献
＊岸恭一・西村敏英(監修).日本必須アミノ酸協会（編者）,『タンパク質・アミノ酸の科学(2007)』,工業調査会,277p.
＊『10万種類のタンパク質(2016)』. Newtonpress. 201p.
＊Gregory A. Petsko, Dagmar Ringe,『タンパク質の構造と機能(2008)』,メディカルサイエンスインターナショナル,横山茂之（監訳）.宮島郁子（訳）,203p.

＼アミノ酸ってなあに？／03.

大切なのは、不足しないために与え続けること

体から消耗していくアミノ酸…。

これを前提として体にアミノ酸を与えることで毎日のタンパク質合成がサポートできます。
アミノ酸は、体内で合成される非必須アミノ酸(11種)。
体内で合成されにくく食べ物から得るしかない必須アミノ酸(9種) があります。
必須アミノ酸はバランスよく摂取しなければタンパク質の働きが失われるといわれています。

低栄養が体の機能を衰えさせるのは、アミノ酸の摂取量が少ないことでタンパク質合成に影響が出るからといわれています。
食べ物から摂取するしかない必須アミノ酸の必要量は日本人（大人）で一日184ミリグラムとされています。
少量とはいえ毎日バランスよく摂り続けるのは大変ですが無視もできません。